「アマクサおこしプロジェクト」デザインコンテストに参加しました
つくばランスは、チームとして初めてデザインコンテストに参加しました。
入賞は叶いませんでしたが、私たちの制作過程をご紹介できるよい機会と考え、その活動を記事にしました。
「アマクサおこしプロジェクト」とは
天草市
天草と言えば、天草四郎!
教科書の中で、誰もが目にしたことがある有名な土地ですね。
南蛮文化やキリシタンの歴史が有名です。
そんな天草市は、熊本県の西南に位置する離島にあります。
天草エアラインを使うと福岡空港から約40分。熊本空港からは20分と、とても身近な島です。
デザインコンテストの概要
「アマクサおこしプロジェクト」とは、天草市が地域創生の一環として行ったプロジェクトです。
クリエイター人材を輩出するデジタルハリウッドSTUDIOとコラボし、クリエイターとともに天草市の魅力を伝えるデザインコンテストを開催しました。
テーマは、天草市の玄関口である「天草エアラインで天草に行こう!」。
コーディネーターは、私たちの憧れでもあるデジタルハリウッドSTUDIO講師の久保田涼子先生でした。
グラフィック部門 と Webデザイン部門があり、つくばランスはWebデザイン部門に参加しました。
なお、天草エアライン様は、天草空港に唯一乗り入れをしている日本一小さな航空会社で、親子イルカをデザインしたみぞか号が人気です。
情報整理・設計
まずは、天草市と天草エアライン様の情報収集をし、使えそうなユニークな特徴を整理しました。
そして、
- 天草市を訪れる人たちが、それらをどう感じるのか
- なぜそう感じるのか
- 競合となる地域との違いは何か
- 今回、何を推していくのか
といったことを、整理していきました。
天草市の魅力
天草市には、想像以上の魅力があることが分かりました。
中でも、他にはないユニークな魅力として注目したのが以下の点です。
- 世界遺産「﨑津集落」
- 世界でも有数のイルカ群
- 西の海に沈む圧巻の夕陽
情報収集をする中で、﨑津集落とイルカ群については、あちらこちらのサイトで取り上げられていました。
私たちが推したのは、「西の海に沈む圧巻の夕陽」です。
これから先もずっと、他の地域には真似できない自然からの贈り物です。
一面に広がる真っ赤な夕陽に包まれる自分を想像してみてください。
ターゲット
ターゲット
- 30歳前後の独身女性
- 福岡市在住
- 会社員
- 後輩を指導する立場
ターゲットの課題
- 責任ある立場になりつつ、ストレスが多い
- 仕事に追われ、有給休暇が取りづらい
- 日常を忘れて、癒されたい
メインビジュアル
キャッチコピー
洗い出した情報と設定したターゲットを元にキーワードをピックアップし、更にそれらを広げ、ひねり出したのがこちらのキャッチコピー。
思い立ったら天草!
アクティブ・のんびり旅「夕陽ビティ」
女性のシルエット
世界遺産の﨑津集落に夕陽が沈むこの景色!
私たちが建物の合間から見る夕陽とはスケールが違います。
そして、夕陽に照らされたマリア像が素敵です。
その景色の中に自分がいるかのように感じられるよう、ターゲットに見立てた女性のシルエットを合成しています。
キャンペーンバナー
詳しくは後述しますが、[空席状況を確認する]ボタンのクリックを促すために、「Instagramハッシュタグキャンペーン」をご提案しました。
コンセプト
休暇が取りづらく忙しいターゲットの課題に対し「気軽さ・癒し・親しみ」が得られる旅(提供できる航空会社)であることをコンセプトとしました。
気軽さ
- 有給休暇を利用しなくても行ける場所
- 思い立ったらすぐ行ける場所
- 繰り返し行ける身近さ
癒し
- 雄大な夕陽に包まれ、心を開放する
- 世界遺産で、ゆっくりと時の流れを感じる
- 日常と対照的な、自然の恵みを感じる
親しみ
- 日本一小さな航空会社だからこその距離感
- SNS運用で、ユーザーとコミュニケーション
デザインの方向性
自分事としてとらえられ、かつ、癒され元気になれるイメージを目指しました。
旅するwatashiを投影
- 旅するユーザーに見立てた女性の画像を使用し、自分事として感じてもらう
- テキストは、ユーザーの心の声と、天草エアライン様の語りかけを意識
癒し
- 壮大な景色で自然のエネルギーをアピール
- 広めの余白と曲線で、のんびりした印象
元気
- 天草の夕陽、海、柑橘類、森林をイメージしたテンションを上げる色調のカラー
- 抑揚のある見出し
ご提案
Instagramハッシュタグキャンペーンをご提案し、ページ内にいくつかある[空席状況を確認する]ボタン直前にキャンペーンバナーを配置することにより、クリック率を上げることを狙いました。
キャンペーン概要
ユーザーは、指定のハッシュタグを付けて撮影した夕陽の写真をInstagramに投稿することで、旅の後も特典がもらえるかもしれないという楽しみが続きます。
天草エアライン様は、優秀作品投稿者に特典提供し、その作品を広告用素材として使用させてもらうことができます。
キャンペーン効果
キャンペーンを通して、顧客と楽しみながら認知拡大することができます。
投稿された作品をSNS上で多くの人に見てもらい、天草市の魅力を知ってもらうことができます。
また、それらをピックアップし、コミュニケーションをとることで、エアラインの身近さや親しみやすさをアピールすることができます。
それらは、潜在顧客の獲得につながると考えました。
キャンペーン詳細
投稿者には3ステップで気軽に応募してもらい、優秀作品投稿者へは次回の運賃を50%OFFにすることでリピートしてもらいます。
天草市を繰り返し訪れて、自分の特別な場所にしてもらうことを狙いました。
最後に
2020年9月にチーム発足以来、つくばランスでは制作会社様や個人事業主様のお仕事を中心に制作を行ってきました。
チーム体制でどのように制作を進めて行くのか試行錯誤しながら、無事に納品し、信頼を積み重ねることで次の仕事へつなげることに注力してきました。
3年目の今年は、引き続きそれらに真摯に取り組みながら「挑戦」がキーワードになっています。
その1つが地域情報メディア「研学ウォーク」の運営であり、もう1つが「アマクサおこしプロジェクト」のデザインコンテスト参加です。
フィードバックを受けること・他者の制作に触れること
フリーランスとして制作していると、他者からフィードバックを受ける機会が減ることが悩みの1つです。
チーム内でのフィードバックは常ですが、自分たちの経験や知識がすべてではありません。
業界で長く活躍されている先輩方からフィードバックを受けることは勇気がいることですが、成長に必要なことだと考えています。
今回、Web41作品、紙22作品が提出されました。
残念ながら入賞することは叶いませんでしたが、入賞作品に対する講評で、どのような点が評価を得ているのか、自分たちに足りなかった点(成長ポイント)はどういうことなのかを知ることができました。
改めて、ありがとうございました。
結果発表直後のチームSlack(チャットツール)より
企画・印象・機能のバランスで言うと、企画(エアラインの紹介と、天草の紹介のバランス)と、印象(コンセプトに沿ったデザイン力)が及ばずだったのかな〜
などと思いました。
コンテスト終了後、久保田先生にお礼と感想をメールさせていただいたところ、ありがたいことにチームへの講評の一部を共有していただけました。
曲線やラフを取り入れたフラットデザインとして、質の高い表現ができていると思います。
共有していただいた講評より
一方でクライアントである天草エアラインの存在感が少し弱いように思いますので、なにがしかの形で上手く表現できるともっと良くなると思いました。
講評を受けられるのは入賞者だけだったので、思いもかけず自分たちの講評を受け取り、心の中でガッツポーズをしました!
印象の点では、考えていた以上に評価を頂けたことがとても嬉しかったです。
エアラインの紹介と天草市の紹介のバランスという点は、見解が一致していたことで腑に落ちました。
後日、結果発表後の月例会では、各作品の意図やデザインの方向性などについてメンバー同士で意見交換をしました。
同じテーマでありながら、その切り口や表現は様々で、41作品を一堂に見比べながらとても刺激を受け、たくさん得るものがありました。
デザインで地域に貢献
今回は、つくば市から遠く離れた熊本県天草市の地域創生の一環として行われたコンテストに参加しました。
地元の事業者様はそれぞれの課題を抱えておられ、デザインの力で課題解決に取り組むこの企画を大変望まれているようでした。
オンラインでのやり取りが一般的になったからこそ、地域に関係なくそういった取り組みに挑戦できる一方、地元つくば市でもそのようなお役に立てたらよいのになとも感じました。